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■第一部/歌舞伎に親しむ 構成/柝の会 【歌舞伎の美」 歌舞伎という演劇は、オペラと並び世界的に評価の高い演劇であることはいうまでもありません。その理由は、四百年の歴史のなかで培われた、特異な演出方法、画期的な演技法、見事な舞台技術・舞台美術など、数多くの要素による見事な総合芸術だということができるでしょう。日本人の美意識の結晶、それこそが歌舞伎の美意識なのです。 もうおなじみの「第一部/歌舞伎に親しむ」のコーナーでは、その裏側にある理由やしくみ、からくりなどをわかりやすく解説いたします。歌舞伎を初めてご覧になる方の興味はもちろんのこと、歌舞伎好きの方が知識欲をそそられること間違いありません。 お客様にも実際に舞台に上がっていただき、歌舞伎の世界を実体験していただきます。 ■第二部/歌舞伎舞踊 監修/三世 藤間勘祖 振付/藤間勘十郎 【英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)】 もとは能の「石橋(しゃっきょう)」からきた、いわゆる「獅子もの」で、その中でも「相生獅子」「枕獅子」についで古いものが、この「英執着獅子」です。宝歴四年(1754年)初世中村富十郎初演で演じられました。 当時は舞踊すべてが女方の専門だったので、今とは違った形式でした。そのうち立役の舞踊が行われるに従い、勇壮な獅子の強さが強調される今の「獅子もの」の形式が生まれました。 「英執着獅子」は、前半女心をしっとり見せる「桜づくし」や、扇を使った踊りや振り鼓などが見どころです。後半は、がらりと様子が変わって、牡丹の枝を手に獅子の狂いの踊りとなります。この後できた「連獅子」や「鏡獅子」に比べると、地唄調の渋い古風な味わいのある作品です。 ■第三部/歌舞伎 演出/兼元末次 【壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)】 大和国(奈良県)壺坂寺の観音様にまつわる、いわゆる霊験記もの。盲目の夫に尽くす妻の、いじらしいまでの情愛を見事に描いた夫婦愛の物語です。 [ものがたり] 座頭(盲目)の沢市は三つ違いの女房・お里と貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。沢市は盲目ゆえ琴三味線を教え、お里は内職というなんともつつましい暮らしであった。 そんな沢市の胸中にひとつ不安が生まれていた。というのも明けの七つ(午前四時)になると、お里が毎晩床を抜け出していたからだ。「もしや好きな男が……」と問いただすと、お里は沢市の目の病が治るよう、この三年もの間欠かさず壺坂寺の観音様に朝詣でをしていると訴える。 疑った自分を恥じる沢市はともに観音様にお詣りすることにしたが、心の中は盲目がゆえに不遇な暮らしをしているのだと自分を責める。そして、一度お里を家に帰して、お里を自由な身にしてやろうと自分の身を投げてしまうのだった。 不吉な予感であわてて戻るお里は、非情な現実に遭遇し、自らも身を投げてしまう。しかし、二人のせつない夫婦愛がある奇跡を起こすのだった……。 [見どころ] お里の「父さん母さんに別れてから、伯父さんのお世話になり、お前と一緒に育てられ、三つ違いの兄さんと……」という口説きの名ぜりふがあります。涙を流し、貞節を訴えるお里の心情に心打たれる見せ場です。 この小芝居版には、大歌舞伎には配役されていないもうひとりの男・雁九郎という遊び人が登場します。沢市がお里の小倫相手と疑う相手ですが、そんな事実は皆無です。ただ、その沢市と雁九郎をなんとひとりの役者が早変わりで見せるというところが、この小芝居版の見事なまでの面白い演出となっています。 |
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