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エリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝し、ギドン・クレーメルとのデュオで世界的センセーションを巻き起こした後、極端におそいテンポと無限の深みを感じさせる響きで独自の世界を築き上げたヴァレリー・アファナシエフ。
ロシア・ピアニズムの最後の継承者とも言うべきこのピアニストが、小説家であり詩人であり演劇人でもあることは、あまり知られていない。それどころかアファナシエフ自身は「自分は何より文人であるにもかかわらず、あたらピアノが弾けるのでその面ばかりが注目されてしまった」とさえ言いたげなのだ。
現在、世界でもっとも注目されるピアニストの一人であるアファナシエフのもうひとつの顔を、彼がソヴェト時代から憧れてやまなかった京都の地で発見する。既成のジャンルを超えたアファナシエフの「詩とピアノの夕べ」は、そういう特権的な機会となることだろう。
京都造形芸術大学大学院長 浅田彰
- 出演
- ヴァレリー・アファナシエフ(逐次通訳あり)
- 司会
- 浅田彰
ヴァレリー・アファナシエフ プロフィール
バッハ国際コンクール、エリザベート王妃国際コンクール優勝。レニングラード・フィル、ベルリン・フィル等著名オーケストラと多数共演。クレーメルとの初来日以来、演劇的要素を加えた「展覧会の絵」等伝説的な名演を残す。録音も多く、受賞盤多数。指揮活動にも意欲的で、新日本フィル、神奈川フィル、東京シティ・フィルと共演し、自身の音楽観を鮮烈に提示。詩、小説、演劇等、文学の領域でも積極的に作品を発表している。2008年3月放送のNHKのドキュメンタリー番組でも表現者としての強烈な存在感を示した。
アファナシエフ詩集紹介文
アファナシエフは、己の心身に忠実であることによって、存在の根源へ降りてゆく。その旅は地獄めぐりであり、天上への旅でもある。演奏の真っただ中にそれは現れ、やがて消える。詩は、音楽よりも音楽的である。存在の根源では、だれでもない者の声が響いている。そこでは、詩と音楽の区分に意味はない。本詩集は、世界で初めて編まれたアファナシエフの詩集である。演奏活動に先立ち、16歳のときから詩作を行っていたアファナシエフの霊感の源は日本の俳句だった。
青みたる中にこぶしの花盛り 良寛
アファナシエフの詩は宇宙の戯れ。そして、読者を前提としないのである。
『乾いた沈黙 ヴァレリー・アファナシエフ詩集』訳者 尾内達也
題名『乾いた沈黙 ヴァレリー・アファナシエフ詩集』(日本語版)
『Dry Silence Valery Afanassiev collected poems』(英語版)
訳・尾内達也
論創社 2000円(予価)







