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共同利用・共同研究拠点2020年度リサーチ支援型プロジェクト 公募研究Ⅰ
レクチャーパフォーマンス制作とその翻訳に向けて:崔承喜をめぐるダンスとことば

ダンサー・コレオグラファー崔承喜(1911−1969)を題材とするレクチャーパフォーマンス制作のため、日本とフランスでリサーチを行う。研究方法は、大きく三つに分かれる 。

1.日本におけるレクチャーパフォーマンスについてのリサーチ

フランスでレクチャーパフォーマンスは、詩人が観客の前で朗読をするポエトリーリーディングをはじめ、現代アートの文脈における美術館でのパフォーマンス、劇場におけるダンスと演劇の間のような作品など、様々な形で発展してきている。舞台芸術のそれぞれのジャンルを超える、新しい創造の形式となる可能性を持っているといえよう。ただし、私は今までフランスを中心に、現代アートの分野で活動しており、日本の事情にあまり詳しくはない。なので今回のリサーチではまず、日本で舞台芸術活動に関わる人々(ダンサー/アーティスト/技術者/専門家など)と出会い、日本のレクチャーパフォーマンスの状況と、海外で展開する際の翻訳の問題について聞き取り・意見交換を行いたい。

2.ワークショップ(京都で実施予定)

ことばとダンスがどう協働できるか、具体的に実験できるエクササイズを考案する。希望者と、小規模なワークショップ形式で時間と場所を共有し、編み出した方法を実践したい。それぞれのエクササイズはアーカイブされ、オンラインで公開予定。

3.崔承喜に関連する「ことば」と「ダンス」の収集

上記の研究と並行し、崔承喜を題材としたレクチャーパフォーマンス制作のための資料収集・インタビューを行う。

崔承喜に興味を持ったのは、今年制作した作品 Répète (リピート)のためのリサーチがきっかけだ。このビデオ作品では、在日コリアンの朝鮮舞踊を取り扱っているが、ある時このダンスは一体どこから来たのだろうという疑問がわいた。調べると、崔承喜が書いた「朝鮮民族舞踊基本動作」という本に書かれていることが元になったようである。

崔承喜は1911年にソウルで生まれ、石井漠のもとでモダンダンスを学んだ。アジア、アメリカやヨーロッパ各地で公演を行った後、北朝鮮で朝鮮舞踊を発展させる。石井漠、イサドラ・ダンカン、マリー・ヴィグマン、マーサ・グラハムなど世界各地に散らばるダンサーとの関連が見られること、研究ではこの多様性に着目したい。

 

また、日本と朝鮮(後に韓国と北朝鮮)の間を揺れ動くようであった彼女のアイデンティティのあり方にも興味を持っている。現在「在日コリアンの朝鮮舞踊」というと日本社会と切り離された近寄りがたいものに思えるかもしれないが、レクチャーパフォーマンスを通じ、個々のナショナリズムに回収されない、複数の異なるものを柔らかく受け止めるような見方を提示できればと思う。

 

研究代表者:Yuni Hong Charpe(ユニ・ホン・シャープ)
東京生まれ。アーティスト。フランスと日本で制作を行う。

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Tel:075-791-9144 Fax:075-791-9438

Yuni Hong Charpe, Répète, Video installation, 2020