Symposium&Study
最新情報
【研究会】
浮世絵のなかの団十郎
 舞台芸術研究センター主催<記録と記憶>研究会では、写真、ビデオ、DVDなど記録媒体が進化するなかで、あえて浮世絵の世界に立ち戻り、絵を通じて舞台芸術がどのように<記録>または<記憶>されていたのかを探ります。
 今回のテーマは「役者絵」。同時期に開催されている展覧会『時代の華・市川団十郎の浮世絵―元禄から21世紀へ』(京都造形芸術大学内D'sギャラリー、12月11日〜24日)の浮世絵約40点をとりあげ、その背景やポイントを中心に、浮世絵研究の第一人者である新藤茂さんにお話いただきます。
 浮世絵版画の初期にあたる初代市川団十郎から三代目団十郎までの時代、役者絵は鳥居派の絵師を中心に描かれていました。当時、鳥居派では似顔表現がまだ確立されていなかったこともあり、その似顔から役者を特定するのはかなり困難です。ところが、二代目団十郎だけはある事情により、はっきりした似顔を確認することが出来ます。前半は、その謎に迫ります。
 後半は、役者絵が似顔になった勝川春章、一筆斎文調の時代(四〜六代目)を皮切りに、初代歌川豊国、東洲斎写楽、歌川国貞といった名高い絵師による浮世絵(七〜九代目)、また写真や新版画の時代となった十代目以降の作品を通覧。やがて十三代目となるであろう海老蔵の襲名披露が南座で行われるいま、初代から十二代目団十郎までの役者絵を通して、「役者絵とは何か?」に迫ります。
講師:新藤茂(浮世絵研究家)
日時 2004年12月14日(火) 午後6時〜8時
会場 京都造形芸術大学内 人間館B1映像ホール
参加費 無料
定員 40名
申込方法 氏名、住所、連絡先(メールアドレス)、所属を明記し、e-mail、FAXで申込むか、京都芸術劇場チケットセンターに直接お越しください。
お問い合わせ 舞台芸術研究センター
TEL:075-791-9437
FAX:075-791-9438 
e-mail:tsakai@kuad.kyoto-art.ac.jp
[講師プロフィール]
新藤茂(しんどう・しげる)
国際浮世絵学会常任理事。学会誌『浮世絵芸術』編集委員長(05年4月より)。浮世絵を数学的方法で解読するユニークな研究で知られる。主な著書に『五渡亭国貞<役者絵の世界>』、『三代目澤村田之助』、主な論文に「浮世絵と数学〜江戸っ子は現代数学で遊んでいた〜」など。
【研究会】
日本の能・歌舞伎と中国演劇
 舞台芸術研究センターでは、日本芸能史研究の第一人者である諏訪春雄氏を招き、中国・宋の時代における東アジア演劇の形成過程を通じて、日本の舞台芸術の特性がいかにして生み出されたのかを探ります。
 日本の能は、江戸時代の貞享年間(1684〜88)までに、「神・男・女・狂・鬼」という五段の構成と、前後に「翁」「半能」の儀式曲をすえる興行法を確立し、今日にまでうけつがれています。また、ほぼおなじころ、歌舞伎、人形浄瑠璃、幸若舞なども、一日の興行を、五幕また五段とし、最初に「翁」、「式三番」をすえる興行形式を形成するようになりました。この現象は、互いに連動して起こり、能にほかの芸能がならったものであろうとされています。
 能の興行法については、はやく世阿弥がとなえた序破急の論、あるいは、近世になって喜多流が誕生し、観世、金春、宝生、金剛にくわえて、四座一流となった事実で説明されてきました。
 なぜ五という数が基本になるのか、なぜはじめに、「翁」のような儀式曲がすえられるのか。問題を二つにしぼったとき、その解答を日本国内だけに求めても正解は得られません。
 中国の宋代(960〜1279)は中国演劇の成立した時代です。研究会では、宋代成立の中国演劇の波及と影響という現象に視点をすえ、能、歌舞伎の誕生・形成の過程をあきらかにします。
講師:諏訪春雄
日時 2004年11月24日(水) 午後6時〜8時
会場 京都造形芸術大学内 人間館NA408
参加費 無料
定員 30名
申込方法 氏名、住所、連絡先(メールアドレス)、所属を明記し、e-mail、FAXで申込むか、京都芸術劇場チケットセンターに直接お越しください。
お問い合わせ 舞台芸術研究センター
TEL:075-791-9437
FAX:075-791-9438 
e-mail:tsakai@kuad.kyoto-art.ac.jp
[講師プロフィール]
諏訪春雄(すわ・はるお)
1934年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。文学博士。学習院大学名誉教授。比較民俗学・比較芸能史。月刊誌「ジャイロス」責任編集。国際浮世絵学会理事長・歌舞伎学会監事・元日本近世文学会代表。『日中比較芸能史』『日本の祭りと芸能―アジアからの視座』『歌舞伎の源流』『日本人と遠近法』など著書多数。
【ワークショップ】
ジョセフ・ハイド ダンス&メディアWS
 舞台芸術研究センターでは、8月11、12日の2日間にわたり、イギリスからメディア・アーティストのジョセフ・ハイドを招き、ダンス(演劇、パフォーマンス)とメディアの関係性を模索するワークショップを開催します。
 現在、メディア・アートの世界で「身体」は重要なテーマとなっていますが、その一方で「パフォーミング・アーツになぜ映像などのメディアが必要なのか」といった基本的な問いについて、明確な答えは得られていません。今回は、参加者にジョセフ・ハイドが作成したマッキントッシュのmaxというプログラミングソフトを用いて、マルチメディア・パフォーマンスの作品づくりを体験してもらい、ディスカッションなどを交えながら、テクノロジーを使ってどのような表現が可能なのかを探るワークショップにしたいと思っています。
 具体的には、リアルタイムで動いている俳優・ダンサーの動きをDVカムで撮影し、マッキントッシュ(mac)を通じて加工、その映像を同時にダンサーの背景に投影する、といった作業を行います。グループワークで進行し、2日目には簡単な作品を発表していただく予定です。 
 今回、2日間での作業となるため、グループでの参加(パフォーマー・演出家・映像作家・mac担当者――ノートパソコン持参)を優先的に募りますが、個人でも興味のある方は(他ジャンルの方も含め)ご相談ください。
講師:ジョセフ・ハイド
日時 2004年
8月11日(水)午前10時〜午後8時
8月12日(木)午前10時〜午後4時
会場 京都造形芸術大学内 studio21
参加費 3,000円
定員 20名(*2日間通しでの参加が原則。8月10日午後1時−5時、12日午後4時−6時で仕込みとバラシを行います。こちらも出来る限りお手伝いください)
[講師プロフィール]
ジョセフ・ハイド
1969年、ロンドン生まれ。パース大学講師。もともとはエレクトロニカ(電子音楽)の作曲家として活動を始めるが、その後インタラクティブ・テクノロジーを用いることで活動領域を広げ、現在ではクリスチャン・ツィーグラー(W.フォーサイスCD-ROMの製作者)らとともに、サウンドとパフォーマンスの融合を試みた作品を数多く発表している。現代音楽の拠点IRCAM(フランス)をはじめ、世界各地で講師としても活躍。
【シンポジウム】
イェイツ『鷹の井戸』を読む
 舞台芸術研究センターでは、舞台芸術作品を通じた日欧の比較文化研究の一環として、アイルランドの作家ウィリアム・バトラー・イェイツの戯曲『鷹の井戸』をとりあげ、シンポジウムを開催いたします。
 20世紀を代表する詩人イェイツは、ノーベル賞を受賞したアイルランドの国民的な作家として知られていますが、その活動を支えていたのは、当時独立を果たそうとしていた祖国に対するナショナリズムと、伝統的なケルト文化への深い愛着でした。一方で政治家として近代国家の建設に尽力し、一方で文学者として失われた民間伝承「ケルトの物語」を復活させようとするその活動は、一見矛盾したものでありながら、彼の作品世界を読み解く重要な鍵となっています。
 戯曲『鷹の井戸』は、そのイェイツが日本の能の影響を受けて執筆した作品で、涸れた井戸のほとりで、泉の湧く瞬間を待ち続ける「老人」と、その傍らで井戸を守る「鷹の女」、新たに泉を求めて来たアイルランドの英雄の名を持つ「若い男」による物語です。
 今回は『鷹の井戸』が執筆された経緯を出発点に、作品の背後にある自伝的、文学的、社会的、政治的な意味を探りつつ、若手イェイツ研究者とともに、あらためて舞台芸術作品としての『鷹の井戸』の可能性について、ディスカッションを行っていきたいと思っています。
出席者 成恵卿(ソウル女子大学助教授、著書『西洋の夢幻能』)
木原誠(佐賀大学助教授、著書『イェイツと夢』)、
岩田美喜(東北大学講師、著書『ライオンとハムレット』)
八角聡仁(京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター)
太田省吾(京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター)
日時 2004年7月31日(土) 午後2時〜5時
会場 京都造形芸術大学内 人間館NA408
参加費 無料
定員 30名
W.B.イェイツ(1865−1939)
詩人、作家。ダブリン生まれ。主な作品に詩集『薔薇』、散文集『ケルトの薄明』、『幻想録』など。『鷹の井戸』(1916)のロンドン初演時には日本人舞踊家・伊藤道郎が「鷹の女」を演じた。日本での初演は1939年。以来、時には能作品として、時には舞踊作品として上演されている。
【研究会】
上演実験シリーズ試写会
『戦争』『門』『ふたつの茶壷』
 舞台芸術研究センター<記録と記憶>研究会では、浮世絵、写真、ビデオ、DVDなど記録媒体が進化するなかで、舞台芸術がどのように<記録>または<記憶>されていたのか歴史的に考察する一方、京都芸術劇場で行われる主催公演を実際に撮影し、上演に立ちあった観客の記憶に近づくことのできる記録方法とはどんなものなのかを探っています。
 これまで13作品が上演実験シリーズとして春秋座やstudio21で行われてきましたが、その演目は能、狂言、歌舞伎、現代演劇、ダンスと多岐にわたります。表現形態が異なる演目に対し、記録方法はどのように異なってくるものなのでしょうか。
 今回はシリーズのなかから三作品、インドネシア現代演劇『戦争』、日韓の舞踊と音楽『門 gate 』、狂言と歌舞伎舞踊の競演『ふたつの茶壷』をとりあげ上映会を行います。また、各上映の前後に撮影チーフ木村隆志さんによる解説と、上映に参加した研究員によるディスカッションの時間をもうける予定です。
参加者:木村隆志、舞台芸術研究センター研究員ほか
日時 2004年7月21日(水)
12:30〜 『戦争』
15:00〜 『門』
18:00〜 『ふたつの茶壷』
会場 京都造形芸術大学内、人間館地下1階 映像ホール
<作品紹介>
『戦争』――バリ島の民族的、伝統的演劇技法に由来する、宇宙全体を表現する「影絵」と伝統音楽をアレンジした魂の深奥を揺さぶる烈しい楽曲の「リズム」によって構成されたパフォーマンス。
『門』――伝統と現代、韓国と日本といった枠を超え、アジアにおける身体性を探るために集った日韓の舞踊家、音楽家、美術家によるコラボレーション。  
『ふたつの茶壷』――酒に酔い、道で眠り込んでしまったため、背負っている茶壷を盗まれそうになった男の話。狂言の「茶壷」と歌舞伎舞踊(大正10年、七世坂東三津五郎が歌舞伎舞踊化)の「茶壷」を同時上演。
*舞台芸術研究センターでは、研究会の開催を通じて、舞台や劇場について考える<場>を設け、より多くの方々と接点をつくり、舞台芸術が抱える課題を共有していきたいと考えています。
【講演会】
「パフォーマンス・アートの100年」
 パフォーマンス・アートあるいはライブ・アートは演劇やダンスのみならず、映像、美術、音楽などを含み、ときには批評的に、ときには挑発的に、芸術、政治、社会の問題を扱い、世界の多くの地域で重要な表現として注目されています。とくに今日では、ビデオ、写真、インターネット、広告、ポップ・カルチャーの影響を強くうけ、その表現の領域は広がりをみせる一方です。
 ローズリー・ゴールドバーグは、未来派のパフォーマンスやハプニング演劇が結びつけて論じられることの少なかった1970年代後半に、『パフォーマンス』を執筆し、20世紀に行われたパフォーマンスのなかにある種の系譜や時代精神を見出しました。そのパイオニアとしての仕事は、双方向的なアートやテレビなどが盛んになり、ライブ・アートが注目される21世紀において、ますます重要なものになっていると思われます。
 この講演会では、20世紀初頭に発生した未来派から、ダダイズム、シュルレアリズムやロシア構成主義、戦後ヨーロッパのイブ・クライン、70年代ニューヨークのメレディス・モンクやロバート・ウィルソン、さらに80年代以降のマリーナ・アブラモビッチまで軌跡をたどりながら、あらためてマルチカルチャリズム時代のパフォーマンス・アートについて、その可能性を語ります。
講師:ローズリー・ゴールドバーグ
日時 2004年5月26日(水) 午後6時(5時30分開場)
会場 京都造形芸術大学内 映像ホール
参加費 無料
定員 50名
[講師プロフィール]
ローズリー・ゴールドバーグ(RoseLee Goldberg)
1946年生まれ。非営利組織「パフォーマ」代表。批評家。キュレーター。ロンドン大学で美術史を専攻。87年からニューヨーク大学で教鞭をとり、オルタナティブ・スペース「Kitchen」などのキュレーションを行う。主な著書に『パフォーマンス』(中原祐介訳、リブロポート、1982年)。
京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
     〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116 tel.075-791-8240 fax.075-791-9438 e-mail info@k-pac.org
© Copyright 2001 Kyoto Performing Arts Center allright reserved