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【project】
演劇計画2004
 舞台芸術研究センターでは京都の舞台芸術振興を目的に、京都芸術センターの主催事業「演劇計画2004」を企画、会場提供などさまざまな側面でサポートしています。

 もともと、京都芸術センターは旧明倫小学校を改築して2000年にオープンして以来、その空間を最大限活用するために、さまざまな事業を企画制作しており、演劇の分野では、舞台上演のための空間として講堂やフリースペースを提供する「京都芸術センターセレクション」、若手の俳優育成のための事業「現代演劇俳優セミナー」などを企画し、大きな成果をあげてきました。とくに、「現代演劇俳優セミナー」は、セミナーに参加した俳優たちによる公演『宇宙の旅、セミが鳴いて』(作:鈴江俊郎、演出:高瀬久男)が、京都ビエンナーレで上演され、文化庁の芸術祭の大賞を受賞するなど、その活動は外部からも高い評価を得ています。

  そして、こうした若手育成という視点の延長線上に考案されたのが「演劇計画2004」です。この企画は、舞台芸術作品を生み出す長期的視野に立ったプロジェクトで、従来の劇団・カンパニーといった集団の枠を超えて集う個々の才能を、上演の担い手として育成することで、舞台芸術に新たな未来を提示するものです。

  このプロジェクトでは、特に「演出家」を発掘・育成することに焦点を当てています。時代の感覚を受け止め、上演を魅力的なものにする力を持つ「演出家」の存在を起点として、様々な才能がここ京都に集い、同時代の感覚に満ちた作品を生み出すことを目指しています。
■計画 I 才能の育成
 この企画では、関西を中心に活動し、今最も注目すべき二人の若手演出家に創作の機会を提供します。独自の演出理論を確立しようと実験を続ける三浦基は、従来のテキストからではなく新しい「言葉」を手がかりに作品を創り出します。数々の俳優経験を持つ水沼健は、経験豊かな俳優陣とのコラボレーションによって、海外戯曲に挑みます。二人の芸術的野心が刺激となり、新たな舞台表現のうねりを生むことを願っています。
 また、両公演終了後に「演出」をテーマとしたシンポジウムを実施します。「演出」について考える場を持ち、様々な意見を交換することはこのプロジェクトを検証する上で非常に重要なことだと考えます。参加した人々が作品について更に深く出会えるような機会を提供し、そのことによって、作品が観客も含めた周囲の環境と共に育まれていくことを目指しています。

公演名 「じゃぐちをひねればみずはでる」(原作・テキスト/飯田茂実)
日時 2004年7月5日(月)〜11日(日)
会場 京都芸術センター Kyoto Art Center
構成・演出 三浦基
原作・テキスト 飯田茂実
出演 安部聡子、飯田茂実、内田淳子
シンポジウム 「境界線上の表現」
    詩・小説・戯曲・散文などあらゆるテキストと、ダンス・音楽・美術など、多ジャンルのアート作品からインスパイアされ、それらをコラージュする演出家・三浦基。彼の表現は、演劇を足場としながらも、既存のものから遠く離れていこうとする、ジャンルの境界線上にある表現といえるのではないだろうか。そのような三浦の作品を切り口に、多方面からのパネリストを招き、現代に通じる普遍的な「表現」とは何かを考える。
パネリスト 三浦基/飯田茂実/砂連尾理(振付家・ダンサー)/高嶺格(美術作家)/八角聡仁(批評家/京都造形芸術大学助教授)

公演名 「アルマ即興」(作/E・イヨネスコ)
日時 2004年9月28日(火)〜10月3日(日)
会場 京都芸術センター Kyoto Art Center
構成・演出 水沼健
原作・テキスト E・イヨネスコ
出演 尾方宣久、 藤原大介、森澤匡晴、森本研典
シンポジウム 「冒険する劇言語」
    台詞として存在する特殊なテキストである「劇言語」と、それを使用する身体の関係性。これらを課題として未消化なまま、現代演劇は只中にいるのではないだろうか。アンチ・テアトルと呼ばれたE・イヨネスコの作品を上演する水沼健演出作品を手がかりに、現代演劇における「劇言語」はどこへ行くのか、どのような可能性があるのかを再考する。
パネリスト 水沼健/森本研典(俳優/劇団太陽族)/宮沢章夫(劇作家、演出家)/八角聡仁(批評家/京都造形芸術大学助教授)
■計画 II 才能の発掘
 二人の演出家(三浦・水沼)に続く次代の舞台表現の担い手を発掘、『京都』にて育成することを目的に「京都芸術センター舞台芸術賞(Kyoto Art Center Theatre Award)」を設立しました。優秀な作品を表彰し、10万円の賞金を贈呈するとともに、その作品を上演した演出家が本賞を経て、より優れた作品を制作していけるよう、2005年度の「京都芸術センターセレクション」での上演の機会を提供します。
京都芸術センター舞台芸術賞の概要と選考方法
 京都市内で自主上演される舞台芸術作品のうち、推薦枠と一般公募枠のノミネート作品を対象とし、審査員の観劇による審査を経て「京都芸術センター舞台芸術賞」受賞作品を1作品決定します。
1、 推薦枠(5作品)
    2004年6月1日(火)〜10月2日(土)の間に京都市内で自主公演として行われる舞台芸術作品のうち、演出上今後特に注目作品を、受賞候補作品としてノミネートします。
推薦枠 計5作品
 1. 演出/杉原邦生(KUNIO 01/京都)「ペリカン家の人々」(作/レイモン・ラディゲ)
  6月5日(土)・6日(日) アトリエ劇研にて
 2. 演出/たみお(ユリイカ百貨店/京都)「ナイトライダー」(作/たみお)
  6月11日(金)〜16日(水) ART COMPLEX 1928にて
 3. 演出/竹内佑(デス電所/大阪)「ちょっちゅ念」(作/竹内佑)
  7月15日(木)〜18日(日) ART COMPLEX 1928にて
 4. 演出/前田司郎(五反田団/東京)「家が遠い」(作/前田司郎)
  7月14日(水)〜19日(月・祝) アトリエ劇研にて
 5. 演出/山口茜(トリコ・A/京都)「肉付きの面現代版−絵−」(作/山口茜)
  8月4日(水)〜8日(日) ART COMPLEX 1928にて
  2、 一般公募枠(3作品)
    今回の応募者の中から選出される舞台芸術作品をノミネート作品と同様に受賞候補作品とします。
また、会場に足を運ぶ観客の皆さんにもこのプロジェクトに参加していただきたく、「オーディエンス賞」を設けました。『京都芸術センター舞台芸術賞』ノミネート作品の中で、ご覧頂いた作品中、最も評価する作品を選んでいただき、その結果を発表します。各公演会場の受付および京都芸術センターの情報コーナーに設置される投票用紙を手に入れて下さい。
一般公募枠 計3作品  
 1.演出/山下残(京都)「せきをしてもひとり」(テキスト/尾崎放哉)
  8月21日(土)・22日(日) 京都芸術劇場 studio21(京都造形芸術大学内)にて
 2.演出/田中遊(正直者の会/京都)「残り火」(作/サミュエル・ベケット)
  8月26日(木)・27日(金) 京都芸術センター フリースペースにて
 3.演出/筒井潤(dracom/大阪)「特集・ハムレット」(テキスト/ハイナー・ミュラー ほか)
  8月27日(金)・28日(土) 京都芸術劇場 studio21(京都造形芸術大学内)にて
作品選考委員・審査員
京都芸術センター舞台芸術賞 作品選考委員
  酒井徹[京都造形芸術大学舞台芸術研究センター]
松田正隆[劇作家]
森山直人 [京都造形芸術大学舞台芸術研究センター]
吉田和睦[(株)プラネットワーク/元扇町ミュージアムスクエア・フォーラム担当]
京都芸術センター舞台芸術賞 審査員
  上田假奈代[闘う詩人・詩業家]
太田省吾[演出家/京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長代行]
太田耕人[演劇批評家/京都芸術センター運営委員]
小堀純[編集者/季刊『劇の宇宙』編集長]
公開選評会および受賞者発表 2004年10月3日(日)京都芸術センター講堂にて
【Conference】
第二回アジアダンス会議2005
「ダンスの個別性、ダンスの同時代性」
 (社)国際演劇協会(ITI/UNESCO)日本センター主催の「アジアダンス会議」は、今回が二度目となります。この会議は、言語や交通の障壁などの理由で、これまでお互いの活動内容やヴィジョンをほとんど共有することができなかったアジア圏のダンス関係者が、広く、活発に交流できる環境を創出することを目標としています。第一回会議は2003年に日本の三都市(東京、京都、名古屋)で開催され、バングラディシュ、韓国、マレーシア、フィリピンの四カ国から来日したダンサーや振付家、批評家・研究者による貴重な情報交換の場となりました。

 第ニ回会議では、「情報交換」からさらに一歩踏み込んだ地点で、アジアという地域に生きるそれぞれのダンサーや振付家にとっての、現在の創作活動そのもの、「踊ることそのもの」について考える機会にしたいと思います。そのためには、いわゆる「国際会議」によくある抽象的なテーマの議論というスタイルから、できるだけ遠ざかる必要があります。同時にまた、個々の参加者がそれぞれの国や地域を代表する、という発想にも注意する必要があるでしょう。なぜなら、いかなる状況にあってもアートは本質的に個的な行為であって、各々が属している社会や文化に100%同化している訳ではないからです。むしろ私達にとって必要なのは、グローバル化による市場的価値の均一化が支配的な時代に抗って、ダンスを創ることが必然的に孕んでいる「個」としての性格、「個」であることの批評性を、いままで以上に深いレベルで見つめなおすことではないでしょうか? アジアの様々な場所にいるダンサーや振付家が、いまどのように創作の現場を見つめており、見つめなおそうとしているのかを、他者との遭遇のなかで検証してみることに、この会議の焦点を置いてみたいと思っています。 

 また、この会議で言う「アジア」とは、あくまでもそのようなディスカッションを始めるための、出発点のようなものとして想定されています。もともと古代ギリシャにとっての対岸地域(現在のトルコ付近)の呼称であった「アジア」とは、古くから「ヨーロッパ」が「ヨーロッパ」ではない世界を言い表すために使ってきた用語のひとつであって、それが具体的にどの地域を指しているのかは、いつでも流動的で漠然としていました。「アジア」という概念は、特定の地域や民族のアイデンティティではなく、むしろ「アジア」という言葉に意味を持たせ、どんなに漠然としていても、そう呼ばれる地域を現に存在させている(名付けている)もっと大きな世界全体のリアリティと密接に結びついているように見えます。現に「アジア」と呼ばれる地域に住む人々は、それぞれの地域に固有の問題と直面しながら、同時にまた、西欧近代の強いイニシアティヴによって形成された今日の世界と様々な仕方で関係を持ちながら、日々の生活を営んでいます。

 ダンスもまた、そのような現実と無関係に存在しているわけではありません。そして、ダンスという表現に関わる以上、そうした社会的なリアリティもまた、踊ることそのものの個的な現場の探求を通じて、「ダンスの地平」で確かめられる必要があります。それぞれが世界のなかで置かれている状況下において、いまどのようにダンスと対話し、ダンスを発信しているのか? また、それを観ることによって何を獲得しようとしているのか? そもそも、なぜ私達はダンスをしたり、ダンスを見たりしているのか?―ダンスに関わる以上、避けては通れないそうした問いを、互いの違いを認め合いつつ、率直にぶつけ合う共通の土台が、国や地域の差異の彼方にほんの僅かでも見つかったとき、芸術市場における登録商標としての「コンテンポラリー・ダンス」ではない「同時代(コンテンポラリー)のダンス」の地平が見えてくるのではないでしょうか?

―未知のダンスと出会うこと、そして何よりも、ダンスに携わること自体の快楽とともに―
そのような地平が徐々に視界に浮上していくことを、「アジアダンス会議」は心から待ち望んでいます。
日時 2005年2月7日(月)〜2月11日(金) 7(Mon.) - 11(Fri.) February, 2005
会場 京都芸術センター Kyoto Art Center
ゲスト [アーティスト]
アイセ・エメル・メスキ(トルコ)/アニタ・R・ラトナム(インド)/金善美(韓国)/黒田育世(日本)/サハル・アジミ(イスラエル)/白井剛(日本)/東野 祥子(日本)/マルティヌス・ミロト(インドネシア)/山下残(日本)
[スピーカー]
アムナ・S・クスモ(インドネシア)/エムレ・エルデム(トルコ)/佐東範一(日本)/スニル・マニラル・コタリ(インド)/タリア・カドリ(イスラエル)/崔亥利(韓国)/山田せつこ(日本)
対象 振付家・ダンサー。WS終了後に開催されるディスカッションにも引き続き参加できる方。
チケット料金 ○通しチケット(ワークショップ除く)
 一般 3,500円
 学生&ユース(25歳以下) 2,000円
 *未就学児童のご入場はお断りさせていただきます。
 *学生&ユース券は学生証か年齢の解るものをご提示ください。
 *各プログラム定員に達し次第入場をお断りする場合がございます。ご了承ください。
○ワークショップ参加料 各日 1,000円
 対象: 振付家・ダンサー。WS終了後に開催されるディスカッションにも引き続き参加できる方。
チケット取扱い ○京都芸術劇場チケットセンター tel 075-791-8240(平日10:00〜17:00)
○ADC予約専用e-mail asian_dance_conference@s9.dion.ne.jp
 ご予約。申込みの際は下記をご連絡ください。
 1.お名前・フリガナ(フルネーム)
 2.参加人数
 3.ご連絡先(電話・メールアドレス)
○JCDNダンスリザーブ[ダンスオンライン予約サービス] http://dance.jcdn.org
京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
     〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116 tel.075-791-8240 fax.075-791-9438 e-mail info@k-pac.org
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