experiment
公演名 オペラ 松風 ―能「松風」に基づいて
Matsukaze, un Noh aujourd'hui
公演日 2006年5月13日(土)
開場18:30 開演19:00
場 所 京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
チケット料金
一般3,000円 学生&ユース(25歳以下)2,000円
※全席自由
※当日500円UP
※学生&ユースは学生証もしくは年齢のわかるものをご提示ください。
※就学前のお子様のご入場はご遠慮ください。
チケット取扱い

京都芸術劇場チケットセンター(窓口販売・電話予約)
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主催・問合せ 京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
〒606−8271京都市左京区北白川瓜生山2-116
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共 催 関西日仏学館
内 容  現代フランスを代表する作曲家 アセーヌ・ラルビ と 日本舞踊家 西川 千麗 による現代の「松風」。
 伝統と現代性、東洋と西洋。「能」と「オペラ」を通じて、遠く隔たった二つの岸辺の間で芸術の橋渡しに取り組んだ 意欲作。

●世界初演の文化実験 −須磨の月夜に松風よ吹けー
  
  月は一つ
  影は二つ、満つ汐の、夜の車に月を載せて、憂しとも思はぬ、汐路かなや

 謡曲「松風」の、例えばこのような詞章を、アセーヌ・ラルビ氏のオペラの曲はどのような旋律に載せてゆくのだろう。メゾソプラノの小林真理さんは、それをどのような声の高低で唱うのだろう。ラルビ氏はこの謡曲を誰かのフランス語訳によって作曲せず、あくまでも日本語の原詩のままで唱わせることにこだわったのだ。
 そしてこの小オーケストラの演奏と独唱に合わせて、日本舞踊の西川千麗さんは、舞台の上でただひとり、どのように須磨の浦わの二人の汐汲み娘、松風、村雨の「妄執の夢」を舞ってみせるのだろう。
 まことに興味津々の文化実験ではないか。観阿彌、世阿彌父子の手になるという日本中世のもっとも美しい謡の一曲が、21世紀フランスの最尖鋭の俊秀によってオペラに、あるいはカンタータに、変容される。つまり古典と現代、日本とヨーロッパが、もっとも緻密かつ典雅なかたちで、このラルビ作曲・指揮の舞台の上で一つになるのだ。しかもこの春秋座公演がプルミエール・モンディアル(世界初演)。
 音楽と舞踊が終り、在原行平を恋いつづける二人の亡霊が消えさったあとの舞台に、ただ「松風ばかりや残るらん、松風ばかりや残るらん」――そのような一夕となることをこそ願っている。
芳賀 徹 
(京都造形芸術大学学長 舞台芸術研究センター所長)

 ある意味で死者の魂を静めるための儀式である能は、音楽が織り成す時間性によって歪められた幻想的な空間でもある。能は、夢幻と現実がその狭間で浸透しあう特権的な場、夢の巷である。「松風」は、特に美しい能作品のひとつで、海人乙女の姉妹、松風・村雨が貴公子、在原行平に寄せた恋心が描かれている。短い出会いの後、朝廷に赴くため行平は、戻ってくると約束して立ち去る。その帰りを待ちわびる姉妹は、悲しみに満ちた時の流れを彷徨い続ける。現れては消える揺れ動きの中、ふたりは能に特有の様式に従い、時の流れを行き来する。
アセーヌ・ラルビ

作曲・指揮:アセーヌ・ラルビ
舞:西川 千麗
メゾソプラノ:小林 真理

ヴァイオリン:辺見 康孝
フルート/ピッコロ:奥田 律
クラリネット:上田 希     
ピアノ:森本 ゆり
ギター:金谷 幸三
ハープ:松村多嘉代        
チェロ:多井 智紀
パーカッション:葛西 友子、大竹 秀晃

《プロフィール》
アセーヌ・ラルビ Hacne Larbi
 オーケストラ指揮者、作曲者。1956年生まれ。国立パリ高等音楽院卒業。さらにパリ第八大学にて現代性と伝統の繋がりに関する研究において音楽学の博士号を取得。その後、チェリビダッケ、ブーレーズ、フェラーラ、メシアン、ベリオ各氏によるオーケストラ指揮と作曲のマスタークラスに参加する。リール大学教授(作曲とオーケストラ指揮)、パリ音楽教育学校の試験、並びに国家ディプロマ認定試験の審査委員長を務め、さらには国立地方音楽院の校長を務める。パリのオーケストラのソリストたちがメンバーとなっているアンサンブル・アントルタンの音楽監督。ヨーロッパのみならず、カナダ、中国など世界各地で指揮者として活躍。作曲では、オペラ「石楠花の小屋」(2001年)や、ル・クレジオの著作「雲の人々」に基づくオラトリオ「Slam-Shalom」(2002年)など。
西川千麗 Senrei Nishikawa
 日本舞踊家。先代家元西川鯉三郎、三代目家元西川右近に師事。京都を中心に日本舞踊の枠 を超えたユニークな活動を展開する創作舞踊家。1981年から創作舞踊公演「千麗舞の夕」始める。ポーランドのバレエマイム劇団の来日公演に衝撃を受けたことがきっかけとなり、2000年・2001年にポーランド公演を行う。2003年にはイタリア・ドイツ・スイスの3ヵ国を巡演した。主な作品に、「瞽女ものがたり」(斎藤真一原作)、「青眉抄」(上村松園原作、瀬戸内寂聴台本)、「おはん」(宇野千代原作)、「よだかの星」(宮沢賢治原作)、「阿留辺機夜宇和」(河合隼雄原作)など。日本の伝統舞踊に現代芸術の要素を取り入れ優美な舞は海外でも高い評価を受けている。
小林真理 Mari Kobayashi
 鎌倉市生まれ。1979年東京芸術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院修士課程に進む。同年NHK新人演奏会、東京文化会館推薦音楽会に出演。1981年文化放送音楽賞、第1回日仏声楽コンクールに入選。1982年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院に入学、レジーヌ・クレスパン女史に師事、'87年同大学院オペラ科を終了、1989年に同音学院古典声楽科のクラスを1等賞で終了。在学中より数々の国際声楽コンクールで受賞、バロックから現代音楽に至る幅広い演奏活動を始める。オーケストラとの共演やオペラなどヨーロッパのみでなく、アメリカ、東欧、オーストラリアにても活躍。1999年フランス国家教授資格を得て、現在ストラスブールの国立音楽院で声楽の専任を勤め、後進の指導に情熱を注いでいる。
京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
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